びくびくと怯えているのに
興奮しているその様は愚直と言うに相応しい。

痛くて涙が零れるのも
怖くて震えてしまうのも
それらに興奮してしまうのも
追い詰まった君の口から零れる
息も声も嘘偽りのない真実。





ぐあぁ。と声を上げても
私の爪は、歯は
すぐに進行を止めることはない。

肌の感触を、噛みごたえを
しっかりと味わいながら
君の限界ラインを探しながら
着実に近付いていく。

四肢がもがいて耐えようとしても
指先、足先に出る震えは隠しようが無い。

君はちゃんと知っていたはず
私が半端な手加減を君に対してしないということを。

そして私は知っている
君がどんなに震えても
この先を欲しているということを。

肌に私の痕をぎりぎりと残す。

耐えれば耐えるほど
この痕は濃く、長く君の身体に残る。





熱が篭り、痛みは蓄積されて
その上に重ねがさね
残していく。

怖い、怖いといいながらも
ソレの先からは汁が止め処なく垂れて
シーツを汚しているのも
ちゃんと分かっているんだよ。

そして君の口から
もう無理ですという言葉が出てこないということも。

別にやめてあげたって構わない
けど、私はやめない

いまがどんなに痛くて辛くても
これは君にとってかけがえのない魅惑のスパイスだから。

明日も、明後日も
暫くの間はこの残された痕をなぞって
この刹那の甘さを思い出せばいい。

この時間はこれからの君をしっかりと
生かせてくれる。





回を重ねるごとに
君の欲求と恐怖心は増大していく。

そして、私の中では
君を追い詰めるハウツーが充実していく。

君はこの興奮に囚われて
逃げることも、忘れることもできない。

痕がなくなってしまう頃には
また欲しくなってしまう
君はそういう生きものだもの。

次は、これからもっと先は
どこまでいけてしまうんだろう。






 
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